木のしつらゑ、根のかたち

Design 2023

Location 銀座・巷房2+階段下

枝葉は天の気をうけ光合成し

幹へ幹へと伝え、

根に送る。


根は酸素をうけ入れ、

土と水を吸いあげ

幹へと送り続ける。


空に広がる枝葉と共に

大地のなかに広がる根。

互いに伸び、互いに支え

樹木は大きく高く広がり育つ。


やがて数百年数千年の生命を終え、

枝・葉・幹・根たちはすべて土に帰り、

大地は養い成長する。


今回の「根のかたち」は

二千五百年前、

秋田県鳥海山の噴火でなぎたおされ

火山灰に封印され、

土に帰ることなく今にもたらされた、

永い時間といのちのかたちを

とどめている根である。


鳥海山・神代杉、二千五百年の記憶から。



東大寺 裏参道の杉並木


根と根はからみ合い対話し

互いの根を引きつけ、たすけ合う。


崖壁の斜面でもたたずむ樹々。


一本で立っているのではなく

となりの根々たちに引きよせられ

互いにたもたれ躰をたもつ。


一本の木の根と、木々の根が

大地、土の中でからみ合い

互いの存在を確かめ合い

天に向かい光合成を成しとげ

今を生々と過ごす。

Process

木のしつらゑ

BLACK PERSIMMON・黒柿

樹齢150 年以上の年月のもと、

白と黒の美しい模様を持った

1万本に1本とも言われる希少な柿の木。


立っている姿からでは黒柿かどうか

分からず、切られて黒柿か

どうかを知る、神秘的な木。


その魅惑的な模様を

どのように表現するか。


黒柿の一枚の板に

創り出された模様を

一筆書きの絵画のように

平らな御皿の上にあらわした。



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